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(No14) 特別編 「GOAL!」試写会 with 森島選手(セレッソ大阪)



 今回は、サッカーなどの観戦記ではない。ドイツW杯に関連して制作された「GOAL!」という映画の試写会があり、当選した。
 その試写会は、前段にトークショーがあり、そのゲストがセレッソ大阪のモリシこと森島寛晃選手だった。

 モリシは、人柄そのままに誠実に女子アナの質問に答えていた。

 あこがれていたのは木村和司選手だった・・・なんてのは、以前から聞いていたが、
「やはり、W杯の選手決定などは、選手はその場で初めて知ったりするものなんですか?」との質問に、
「答えちゃっていいんですか?」とちょい、アナを慌てさせ、会場を沸かせ、自分の時は事前にチームから聞いていたことを教えてくれた。

 選考選手の発表の仕方は、フランス大会の岡田、日韓大会のトルシエ、そしてドイツ大会のジーコで三者三様である。今回は、ジェフの巻なんかTVを第三者的に観ていて自分の名前が呼ばれてビックリしたというから、事前には知らされていなかったのだろう。

「この映画は、どうでした?」と感想を聞かれたモリシは、
「ええ、とにかく決定力がありますからね。こういう選手になりたい」と答え、
「まあ、映画ですからね」とツッコミを返されていた。

 しかし、本当に今のセレッソには(確実なディフェンスももちろんだが、)決定力が欲しい。モリシの正直な気持ちが出たところだろう。

「去年は惜しいところまで行ったのですが、今年は今のところ残念な結果ですね。まあ、ナビスコカップでは・・・」と痛いところをつかれたモリシは、
「ええ、ようやく粘りのあるセレッソらしさが少しずつ出てきてますので、これからがんばります」と答えていた。 

 私は末っ子と並んで、最前列で観ていた。息子にはセレッソのマフラーを膝にかけさせ、セレッソのノートを持たせていた。(ひょっとしてサイン会とかあるかも?と思ったのだ)
 それが女子アナの目にとまったのか、「そこのボクは、サッカーやってるの?」と訊かれた息子は、突然のネタ振りに慌ててしまって「い、いえ。でも、サッカーに興味があるんです」と答えた。(後で、息子は「くっそう〜!何で一番に僕が当てられたんや。慌ててしもて、うまいこと答えられへんかった。笑われてしもた。くっそ〜!」と悔しがっていた。)

 サッカーをしている子供達に何かアドバイスは?との投げかけに、「僕より、この映画を観てください。その方が勉強になりますよ」と言ってたのがモリシらしかった。いやいや、小手先のテクより、何より子供達に学んでほしいのは、モリシの、最後まで必死にボールを追う真剣さですよ。 


 さて、映画なのだが、主人公はサンティアゴという名のメキシコ生まれの青年。

 一家は10年前、アメリカに密入国してきた。家族はロスに移り住み、父は庭の手入れでコツコツ稼ぎ続け、もう少しで自前のトラックを購入し自立できるところまでこぎつけた。サンティアゴは、父の仕事を手伝いながら地元の草サッカーチームで活躍している。

(席につくモリシ)

 ある日、たまたまロスに遊びに来ていたグレンという男が、サンティアゴの試合ぶりを見て、その才能にひかれた。

 グレンは、サンティアゴに「ニューカッスル(イングランドプレミアリーグの名門チーム)のトライアル(入団試験)を受けに来い」と名刺を渡す。


 渡航費用を稼ぐため、アルバイトに精を出すサンティアゴ。しかし、父は「つまらない夢など見るな。地に足を付けて地道に働け」と、彼の貯金をトラック購入資金の足しにしてしまう。 

(照れているのか、うなだれて座ってるモリシ)

 すっかり失望するサンティアゴ。しかし、そんな彼に祖母が航空券を渡してくれた。
 堅苦しい夫に耐え切れず、サンティアゴの母は数年前に家を出ていた。「それ以来、私は、母親に代わって、あなたたち孫の夢をかなえてやろうと思っていたのよ」

 単身イギリスに渡ったサンティアゴは夢をつかむことができるのか・・・・・・というおはなし。

(以下の感想は、思い切りネタバレなので、ご注意ください)

 実におもしろい映画だった。水戸黄門的というのだろうか。いや、もちろん助さん、格さんとかが出てくるわけじゃないし、最後に印籠を見せるわけでもない。

 ありがちな、というかまんま、「ある!ある!」ストーリーなんだが、テンポがよく、カタルシスがあって、スカッ!とする。

 ヒーローの挫折と成長。これが繰り返される。

 グレンは、プロの代理人(プロスポーツ選手の年俸や移籍の交渉を引き受ける役)ではない。以前はニューカッスルの名選手だったが、膝を負傷して引退し、今は自動車修理工場をやっている。

 だから、ロスでサンティアゴの試合を最初に見た時も、自分でどうこうではなく、同行していたプロの代理人バリーを連れて次の試合を観に行くと言ったのだ。

 しかしバリーはごくいい加減な男で、グレンとの約束をすっかり忘れていた。
 

 サンティアゴは試合で活躍するが、グレンは代理人が来なかったことをわびる。「次の試合は見に来てくれるの?」と聞く祖母に、「すまないが明日、私もバリーもイギリスに帰るんだ」と答える。(第一の挫折)

 しかし、グレンはあきらめきれず、夜中にニューカッスルの監督ドーンヘルムに電話し、無理にトライアルの約束を取り付け、翌日、サンティアゴに伝える。(第一の高揚)

 必死でバイトに励むサンティアゴ。夜中に靴の中に札を隠していると、弟がむっくり起きて「貯まった?」と聞く。驚く兄に「みんな知ってるよ」と無邪気に答える弟。実はこれが伏線で、ある日、サンティアゴは、家の前に、父が以前「高すぎて買えない」と言っていたトラックが駐まっているのを見る。
 靴をさぐると金はない。(第二の挫折)

 数日後、おばあちゃんがこっそり航空券を渡してくれる。(第二の高揚)

 グレンの家でやっかいになりながら、いよいよ迎えたトライアルの日。

 当日はたまたまどしゃ降りだった。ぬかるみのピッチ、時差ぼけと緊張、新人いじめのきついタックルでサンティアゴは、地べたに転がるばかりだった。
 早々に監督は彼に見切りをつけてしまう。(第三の挫折)

 ところが、またもグレンが監督に頼み込んであと1ヶ月のチャンスをもらう。(第三の高揚)

 練習でも徐々に頭角をあらわすサンティアゴ。ついにリザーブ戦で試されることになる。
 実はサンティアゴは、喘息の持病があった。チーム付きの看護婦ロズに問診を受けた時は、不利になるのでは、と心配で隠していたのだ。
 同じ二軍仲間に、サンティアゴの若さと才能をねたむヒューイという古株がいた。

 彼はサンティアゴの持病に気付いており、試合開始直前、サンティアゴがいつもの吸入薬を摂ろうとした時、その薬瓶を踏み潰す。
 息が苦しいサンティアゴは全くいいところがなく、早々に交代させられた。
「次の試合では・・・」というサンティアゴに、グレンも「次の試合はないんだ」と告げるしかなかった。 (第四の挫折)


 帰国のためタクシーで空港に向かう傷心のサンティアゴ。
 ところが、才能はあるが素行が悪く、チームを転々とし、鳴り物入りで最近ニューカッスルに来たが実績が挙げられないガバンというスター選手が、練習に遅刻したため、無理やりサンティアゴのタクシーに乗り込んできた。

 ちょっとした恩返しのつもりなのか、監督にサンティアゴには才能がある。もう少し残留させるべきだと口添えしてくれた。
 喘息のことも打ち明け、正規に治療を受けられることになった。

 才能を発揮し、リザーブ戦で活躍を続けるサンティアゴ。
 ある日、彼はコーチに不満げにかみついた。「この頃ずっとがんばってきたのに、明日のリザーブ戦に、補欠にも入っていないのはなぜなんだ?」

 コーチはこう言った。「お前はトップに上がるんだ」

 ついに夢にまでみたプレミアリーグのベンチに入ったサンティアゴ。

 そして、終了間際、レギュラーが負傷し、とうとう彼はピッチに立つ。

 得意のドリブルで敵陣を突破し、ペナルティキックを得た。
 これをガバンがきっちり決め、ついに対フルハム戦に勝利する。
(第四の高揚)

 酒好き、女好き、遊び好きのガバンは、彼を怪しげな乱痴気パーティに連れて行く。
 女たちに囲まれているところを写真に撮られ、三流新聞にデカデカと載った。

 監督からは叱責され、恋人となったロズの信頼も失った。故郷からは父が心臓発作で亡くなったという電話があった。一軍にあがった時、家に電話したのだが、父は居留守を使って話そうとはしなかった。結局父と和解できぬままに終わったことを激しく悔やむサンティアゴ。彼は何もかもあきらめ、荷物をまとめて祖母と弟の待つロスに 帰るため空港に向かった。(第五の挫折)  

 飛行機がアメリカに向かって飛び立つ。しかし、ロビーには何かを決意したようなサンティアゴの姿があった。

 練習場で、帰ってきた彼の姿を見た監督は驚いた。
「なぜ、ここに?」
「今なら、挫折した言い訳ができる。でも、最後まで夢をあきらめたくないんです。」 

 ついに迎えたリーグ最終戦。相手はリバプール。
 何もかもふっ切れたようにピッチを縦横に駆け回るサンティアゴ。
 同点のまま、タイムアップ寸前。ゴール前、絶好の位置でフリーキックを得たニューカッスル。

 来期、チャンピオンズリーグの出場権を得るには、この試合、勝利するしかない。 

 ガバンは、このフリーキックをサンティアゴに託した。

 スタンドでは、ロズとその母、そしてグレンが息をのんで彼のFKを見つめていた。

 また、LAのサッカー好きが集まるパブでは、祖母と弟が、祈るようにTV画面を見守っていた。

 いつも肌身離さず身に付けている、出発の時祖母から贈られたロザリオにくちづけをし、すべての思いをボールにこめて、右足を振りぬいた・・・・・・・。

 ね?ほんま定石通りのつくりなんですが、やっぱ、気持ちが盛り上がるんですわ。

 やっぱ、人間が単純なんやろかね。

 実は、息子なんか勘当だ!と言っていた頑固親父も、活躍を風の頼りに聞き、意地を張って電話には出なかったものの、こっそり近所のパブに行く。(「セレッソ・カフェ」といって、セレッソファンのための店があるが、そこはニューカッスルのサポーターが集まる店らしい。ユニ着用の常連が多い)
 おずおずとカウンターに座った親父だが、息子の活躍に興奮し、PKを取った瞬間、思わず立ち上がって、「あれは、オレの息子だ」と誇らしげに叫ぶ。


 とたんに、周りからは祝福のビール責め。

 ところが、その後、親父は仕事先で心臓発作を起こし、帰らぬ人となる。

 最終戦、祖母がたまたま、弟を連れて孫の活躍を見に、そのパブに行く。


 まあ、最後のFKの結果は言わなくてもわかるだろうが、
「あの子は、私の孫なの。この子は、あの子の弟よ」と言った祖母は、常連客から、
「ほんとかい?じゃあ、親父さんが先週、この店に来ていたぜ。息子の活躍に嬉しそうだった」 と聞き、涙を流す。

   グレンは、ピッチ外でサンティアゴに携帯電話を渡す。

「おばあさんは何て言っていた?」
「親父が、この前の試合を見てくれていたそうなんだ」と感激をおさえられないサンティアゴに
「この試合も見てるさ。天国からな」 

 うちの息子は、思わずもらい泣き。

 主演のクノ・ベッカーは特にサッカー経験はないそうだが、3週間ほどの特訓でみごとなボールさばきを見せている。

 ちょっとカリフォルニア・ロール・・・・・と言ったらアボガドとかを使う海苔巻きのお寿司か。マルセイユ・ロール(ボールを中心に体を回転させて相手をかわす、マルセイユ出身のジダンが得意とするフェイント。マルセイユ・ルーレットともいう)を多用しすぎと思うが、あんな選手がセレッソにも欲しい。

 ガバンは有名チームを渡り歩いたスター選手という設定で、彼に招かれたパーティで、サンティアゴはベッカムに挨拶されてびっくりする。(ベッカム似の俳優ではなく、ベッカム本人の出演)

 「なあ、なあガバン!今そこでベッカムに会ったよ!」とでも報告しようとガバンに駆け寄ると、彼の両脇にはジダンとラウール(もちろん二人とも本物)がいた・・・というシーンには笑った。

 あと、試合シーンではニューカッスルのシアラーや、リバプールのジェラードなども出演していたようである。

 

(トークショーを無事終え、解放されて思わず笑みを浮かべたモリシ)

 いやあ、映画も良かったし、モリシにも会えたし、試写会のスポンサー日清製粉からはカップヌードルの新製品3個詰め合わせのお土産をもらったし、めでたし、めでたし。

 


 
 どうもご退屈さまでした。
  
 


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